2020
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行きなさい。
わたしはあなたがたを遣わす(ルカ10・3)
 発行所 カトリック浦上教会
 評議会 広報委員会
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 uracathe@hkg.odn.ne.jp
 
目次
「種はどこから」
「十字架山殉教祭」
祝・敬老の日
尾高神父様霊名お祝い式
評議会だより
ロザリオの月各地区割当表
今月の典礼担当地区

教会学校
浦上四番崩れ
今月の聖人
浦上街道
赤鉛筆

助任司祭 ドミニコ 宮原 大地
髙見大司教様司式で執り行われた
敬老者、病気療養者のためのミサと病者の塗油式
霊名 聖ガブリエル
行事などのお知らせ
10月「ロザリオの月」に聖堂で行います
9月と10月の典礼当番
教会学校2学期始業式・ミサ
「旅」の始まりから150年特集(21)
家族で霊名の日を祝いましょう
司祭への道のり「助任時代」(最終回)
編集後記
「種はどこから」
助任司祭 ドミニコ 宮原 大地
 「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」
(ヨハネ12章24節)
 収穫の秋を迎えました。こんな未熟な私でも多くの実を結ぶことができるのだろうか。実を結ぶための一粒の麦が自分の中にはあるだろうか。どんな実にも種はあるのだろうか。もっと頑張らなければと思う次第です。
 イエス様は神の御言葉が蒔かれ、成長して実を結ぶ様を次のように例えて仰せになりました。「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、人に踏みつけられ、空の鳥が食べてしまった。ほかの種は石地に落ち、芽は出たが、水気がないので枯れてしまった。ほかの種は茨の中に落ち、茨も一緒に伸びて、押しかぶさってしまった。また、ほかの種は良い土地に落ち、生え出で、百倍の実を結んだ。」(ルカ8章5-8節)
 聖書には「種」の話題がたびたび出てきます。私は、大神学生時代に畑を耕して野菜を育てたことを思い出します。どうせ育てるなら好きな野菜をということで、私はナスをメインに面倒を見ました。先輩方の中には、唐辛子を育てた人もいましたし、パクチーを栽培した人もいました。土を耕し、水をやり、雑草を取り除き、時には肥料をまく。手入れをした野菜よりも、生ゴミを肥料にした中からカボチャや冬瓜が立派に育つのが少し悔しかったのも良い思い出です。
 育てた野菜の実から種を植え、何倍もの実りへとつなげることができれば、より神学生らしい畑になったと今になって思います。育てる種は、店で袋に入った種を買っていました。収穫して食べて、次に植える種は、また店へ買いに行っていましたので、実から種を取って育てることはありませんでした。
 この秋、長崎教区はひとつの実りを味わいます。10月11日、長崎教区の司祭・助祭叙階式が執り行われます。この機会に、改めて司祭召命について考えたいと思います。
 神学生が種だとするなら、その種はどこからくるのでしょうか。当然、店で買ってくるわけにはいきません。司祭は結婚しませんから司祭の息子というわけにもいきません。その種は教会共同体の中に生まれる種と言えるでしょう。そして、その頭である主キリストからの種です。
 その種は土壌を移動する種です。実際に神学校と地元を行き来します。良い土地に落ちた種が豊かな実りを結ぶように、愛のある土壌に、愛の種、愛の実は育つことでしょう。愛された者が愛する者となっていくことは、教会にとっても、教会に限らずとも大事なことです。気が早いと思われるかもしれませんが、次の種が続きますように。浦上教会共同体が、これからも神からの新たな種を迎え入れる良い土地となりますように。
十字架称賛前の日曜日
「十字架山殉教祭」

  9月13日(日)午後2時から「十字架山殉教祭」が高見大司教様司式で執り行われました。
 冒頭、中嶋典礼委員長から、十字架山設立の由来が説明されました。
 説教に立たれた宮原神父様は「今日は歩いて登って来ました。ここは丘の頂上であると同時に、さらに上に天がある。その間に十字架がそびえています。この光景は、私たちの信じている主との交わりであることを思い起こさせられます。この丘に登る度に、先祖の心に思いを馳せます。帰るあてのない流配の旅へ向かう心。浦上の地に帰ってきた喜び。心ならずも絵踏みをした罪をここに埋める為にではなく、ここからどこに向かうべきかを確認しながらこの丘を残したのだろうと」さらに「自分の背負う重荷を担いで私たちも今日ここに集いました。そして、この丘から下って行くとき、私たちの重荷は私たちが遣わされて行く先へと新たに携えていく物となっていきます。ただの帰り道、戻る道ではなく、信仰の旅路にとっては神の国への前進です」と語られました。 (参加者150名)
祝・敬老の日
敬老者、病気療養者のためのミサと病者の塗油式
 例年、9時30分ミサ後に信徒会館で「老人を敬愛し長寿を祝う」お祝い会が催されているが、今年は新型コロナ感染防止の為に中止になった。この日を楽しみにしておられた皆さんには少し淋しい思いをされたことだろう。
 敬老会は中止されたが、9月20日(日)9時30分、聖堂での「敬老者、病気療養者のためのミサ」が行われた。聖堂前方には敬老者席が設けられ、多くの対象者とその家族で満席となった。
 ミサは久志主任神父様司式で執り行われ、今日の日を心からお祝いし主のまなざしを分かち合って感謝の中に捧げましょう。の言葉に始まり、つづいて「灌水の儀」があり、神の恵みが与えられるようにと列席する信徒に降り注がれた。
 信仰宣言の後には病者の塗油式が行われた。式の前に「希望される敬老を迎えられた皆さんのために神に賛美と感謝を捧げましょう」・・・「いつくしみ深い神よ、信仰をもってこのとうとい油を受ける者が、苦しみの中に支えを、病の中にも慰めを見いだすことができますよ
 
うに」と司祭の祈りに、希望者は祭壇前方に並び、3名の司祭から約120名が授かった。
 ミサの終わりに主任神父様から、スウェーデンの映画監督:イングマール・ベルイマンの言葉で、「老人は山登りに似ている。登れば登るほど息切れするが、視野はますます広くなる」が贈られ、又、教会学校の子供たちからは「祝 敬老の日、神さまの恵みのうちにお元気で長生きしてくださいね」と書かれた一輪の花に温かい気持ちをいただいた。
尾高神父様霊名
聖ガブリエルお祝い式
 9月27日(日)尾髙修一神父様の霊名聖ガブリエルをお祝いする式が9時30分のミサの中でおこなわれました。
 説教の中で久志神父様は、2年前の尾高神父様の浦上着任時に述べた自身の歓迎の言葉で「ガブリエルの霊名をいただく尾髙神父様は浦上教会へガブリと噛み付いて、エールを送って欲しい」との挨拶に触れながらお祝いの言葉を述べられました。
 教会学校の富田海人くんは尾高神父様が仕返しについて話された、「自分に害を加える人であっても神様から見ると同じ兄弟だからあなたの敵を愛し、いじめたり悪
口を言ったりする人のために祈ってあげなさい。」との話が心に残っています。と話していました。
 尾髙神父様は御礼挨拶で「霊名のお祝い日は感謝の日だと思っています。洗礼のお恵みをいただいたことへの感謝、信徒の皆様がお祈りしてくださったことへの感謝です。」と応えられ、9月号の神の家族での質問に答え、「聖ガブリエルの霊名は父が選びました」と話されご挨拶をされました。
評議会だより
【10月】

ロザリオの月 ロザリオの祈り
(毎週月曜~金曜)19時
 ※第1金曜日のみ十字架の道行     <典礼>

(2日)初金ミサ(女性部担当地区: 石神1、2)
     10時              <本部>
    十字架の道行 19時        <本部>
(4日)評議会 19時(本部)
(11日)旅の日 記念ロザリオ
       5時30分          <典礼>
     司祭・助祭叙階式 15時    <教区>
     
(18日)世界宣教の日献金 各ミサ    <典礼>

【11月】

(1日) 諸聖人 6時         <典礼>
     長崎教区司教座聖堂献堂
      記念日・記念ミサ 18時30分 <教区>
     信徒会館原爆遺物展示室
      オープニングセレモニー 18時
                     <本部>
     評議会 9時30分ミサ後     <本部>
(2日) 死者の日 6時         <典礼>
(3日) ベアトス様殉教祭       <本部>
       16時 橋口町記念碑前
       雨天時 橋口町集会所
(6日)初金ミサ(女性部担当地区:大手、扇)
       10時           <本部>
    十字架の道行 19時       <本部>
(8日)死せる会員のためのミサ
        9時30分      <壮年・女性>
    教会境内清掃 8時30分      <信生>
       雨天時11月5日
(9日)ラテラン教会の献堂
        6時            <典礼>
(11日)旅の日 記念ロザリオ
        5時30分          <典礼>
(15日)貧しい人のための世界祈願日   <典礼>
       第3回堅信組保護者会
         9時30分ミサ後(信教)
       浦上小教区への転入者紹介
        9時30分        <シャロ>
(15~12月13日)
    釜ヶ崎ホームレスのための
         毛布・日用品収集
       9時30分ミサ後 信徒会館 <ビン>
(22日)王であるキリスト       <典礼>
       永久聖体礼拝 9時30分ミサ後
  行事は変更・中止される場合があります。
       2020年 ロザリオ月(10月)の各地区割当表

     ※毎週月曜日から金曜日まで、午後7時より聖堂にてロザリオの祈り
     ※ただし第一金曜日は、午後7時より十字架の道行き
(意向):
 新型コロナウイルス感染をはじめ、さまざまな病気で苦しみと不安に陥(おちい)っている人々があらゆる危険から解放され、苦しみをやわらげてくださいますように。また被爆75年を迎え、私たち一人ひとりが平和を願い、平和の証(あか)し人になりますよう、聖母マリアの取り次ぎによって祈りましょう。
担当地区 担当地区 担当地区 担当地区
1日
(木)
全地区 9日
(金)
石神1
石神2
辻 2
19日
(月)
大 橋
昭 和
橋 口
27日
(火)
本尾1
本尾2
2日
(金)
全地区
十字架の
道行き
12日
(月)
辻 1
大 手
女の都
20日
(火)
上野1
上野2
28日
(水)
江平1
江平2
江平3
5日
(月)
大 橋
昭 和
橋 口
13日
(火)
本尾1
本尾2
21日
(水)
高尾A
高尾B
29日
(木)
坂本1
坂本2
平 野
6日
(火)
上野1
上野2
14日
(水)
江平1
江平2
江平3
22日
(木)
本 原
30日
(金)
平 和

小 峰
7日
(水)
高尾A
高尾B
15日
(木)
坂本1
坂本2
平 野
23日
(金)
石神1
石神2
辻 2
    
8日
(木)
本 原
16日
(金)
平 和

小 峰
26日
(月)
辻 1
大 手
女の都
    
      ※割り当てに関係なく都合のつく日に参加してください。
      ※ロザリオも十字架の道行きも、聖堂で行います。
      ※できるだけ間隔を空けてお座りください。
 今月の典礼担当地区
《10月》

4日[日] 年間第27主日          大橋
      聖ペトロ使徒座への献金
11日[日] 年間第28主日         昭和
18日[日] 年間第29主日         橋口
      世界宣教の日献金
25日[日] 年間第30主日        上野1
《11月》死者の月・待降節

1日[日] 諸聖人            上野2
      長崎教区司教座聖堂献堂記念日
3日[火] ベアトス様殉教祭        本部
8日[日] 年間第32主日          高尾A
9日[月] ラテラン教会の堅堂
15日[日] 年間第33主日         高尾B
      貧しい人のための世界祈願日
22日[日] 王であるキリスト         本原
29日[日] 待降節第一主日           扇
教会学校
教会学校2学期始業式・ミサ

 大型台風や新型コロナウイルスの不安の中、9月6日(日)7時半に教会学校の2学期始業ミサが捧げられた。
 ミサ後に行われた始業式で尾髙神父様は、「さまざまな制約がある中での短い夏休みは特別で大変だったと思うが、子どもたちの元気な姿に安心した。今学期も本年度の教会学校目標である“キリストはぶどうの木”を念頭に頑張ろう」と挨拶された。
 また、夏休み期間中も、侍者や聖歌隊、聖書朗読や共同祈願などの典礼奉仕に協力してくださったことに感謝した。さらに被爆75年に当たって取り組んだ、片岡ツヨさんの生涯を描いた紙芝居の朗読や折鶴に込めた平和メッセージの作成、家族みんなで平和のためにできるこ

とを考え制作した「平和のためのぶどうの木」を紹介し、携わってくれた子供たちや家族に感謝した。
 最後に、「すべてのいのちを守るキリスト者の祈り」を唱え、式は終了した。お祈りとご支援に感謝。
浦上四番崩れ
「旅」の始まりから150年特集(21)
「石州(津和野)」
     に行った人たち①

 1868年7月11日、長崎を立った津和野預けの第一次移送者28名は、同船した萩、福山預けの人々と別れて尾道に上陸し。在留14日の後、に広島に送られ、さらに3日歩いて津和野に着きました。
 収容所は城下から1キロメーのトル程離れた「光淋寺」という山寺でした。津和野藩は信徒を寛大に取扱って、神道を理解させてから改宗させる方針だったようで、初めの一か月半ばかりは随分優遇してくれました。
 その後御用が始まり、説得には主に3名の藩士があたり、根気強く神道を講義して改宗に努めました。しかし信徒は、仙右衛門、甚三郎、友八、熊吉などの熱心で教理に通じた者が大半を占めていたので、一か月の講義による説得では改心する者はいませんでした。それで役人は最後の手段をとることに決めました。
 待遇は過酷になり、寺の畳は取り去られ、食物は減らされました。時は肌寒い晩秋でしたが夏衣のままで衣服一枚も与えられませんでした。減食の苦しさは耐え難く、仙右衛門は一同を代表して度々食物の増量を願いましたが、改心を迫られるだけでした。これに負けて改心を申出た者が8名に及びました。
 改宗への苛責はさらに厳しくなり、三尺牢が作られて不改心者は一人ひとり押し込められることとなりました。
 先ず選ばれたのは家野郷の和三郎で、入牢後間もなく病気し、20日後には重体になりました。
それを聞いた仙右衛門は同志が作った抜け穴をくぐって三尺牢を訪れました。和三郎は苦しい息をつきながらも、殉教ではないむなしい病死を遺憾に思い、仙右衛門に「同志がいよいよ処刑せられる場合には自分の骨も携えて行ってくれ」と頼んで亡くなりました。1868年11月22日、行年27歳でした。
 次に三尺牢に入れられたのは城之越の安太郎です。冬の真直中、間もなく病気になりました。痩せて弱っている安太郎を役人は改心の責めに三尺牢から引出し、厳冬降雪の外庭に三日間端座させましたが厳然と動きませんでした。信心が厚く高徳で同志から尊敬される人でしたが三日間の寒晒しで重体となり、明治2年正月20日30歳で亡くなりました。
家族で霊名の日を祝いましょう
<今月の聖人>
10月 October

 1日 聖テレジア(幼いイエスの)おとめ教会博士
15日 聖テレジア(イエスの)おとめ教会博士
17日 聖イグナチオ(アンチオケ)司教殉教者
28日 聖シモン 聖ユダ使徒
 11月 November

 4日 聖カロロ・ボロネオ司教
10日 聖レオ一世教皇教会博士
11日 聖マルチノ(ツール)司教
12日 聖ヨサファト司教殉教者
17日 聖エリザベト(ハンガリー)修道女
21日 聖マリアの奉献
24日 聖アンデレ・ジュン・ラク司祭と
                同志殉教者
30日 聖アンデレ使徒
 浦 上 街 道

             久志 利津男
司祭への道のり

     「助任時代」(最終回)

 初めて主任司祭として赴任する諫早教会へ出発する日を迎えました。多くの方々が見送りに来られ、その中には、日頃、教会にはご無沙汰の方が涙をこらえて別れを惜しんでいた姿が印象深く残っています。桜が散り始めた頃でもあり、惜別の思いがさらに込み上げる情景でした。
 三村主任神父様と2匹の犬との短い1年でありました。あの大型台風で生活リズムが全く変わりましたが、価値ある時間を過ごしたこと、感謝の念で別れ際に教会と見送りの方々に深々と一礼しました。実は前日の夕食時に、主任神父様にお礼の言葉を申し上げ、台風の被害を受け、応急処置にある司祭館の建設の話が具体化して
いることもあって、私の心からの思いを込めて建設費の一部に充ててもらうべく50万円を手渡しました。主任神父様は恐縮しつつも私の気持ちを察して快く受け取ってくださいました。
 後ろ髪を引かれる思いを旨に、仮住まいとなった神学院経由で諫早駅と本明川近くの高台にある諫早教会に到着。平日にも拘らず多くの方々が出迎え、特に若いお父さんやお母さんの数に驚きました。荷物を司祭館に運び終えて信徒会館での歓迎式。壁にはかつての主任司祭の写真が飾られ、そうそうたる先輩らに、今いる自分の立場を否応なしに実感した次第。今の浦上から遡って、かつての大浦・中町と予想もしなかった場所への最初の赴任先となりました。

 さて、この「浦上街道」、次回からは『司祭としての道のり ― 主任時代』となります。
 世の中ペットブームである。なかでも猫の人気はすさまじいテレビでは毎日どこかの番組で放送されており、インターネットでは飼い主が自慢の一匹、時には数匹の動画を披露している。我が広報委員の家にも可愛い、猫らしい猫一匹がおり、自粛期間中にはライブミサにも与ったらしい。どうやら浦上教会の敷地にも2,3匹はいるようだ▲最近はコロナ渦で自宅で過ごす時間が増えたため、寂しさからペットに癒しを求めて、にわかペットブームが起こっている。一方で人間の身勝手による飼育放棄が簡単におこなわれ、小さな命が危機にさらされて いる。悲しいことだ▲昨年の教皇フランシスコの訪日を受けて日本の司教団は先月9月1日から10月4日を「すべてのいのちを守るための月間」と定められた。被爆から75年の節目の年に私たちは、戦争や、病気、貧困、身勝手で失われていくすべてのいのちを守るために、それぞれができることで関わり続けていこうとの、司教様方の思いを大事にしたい▲そのコロナから9ヶ月、季節は少しずつ秋に入り、これから冬を迎える。まだ薬が開発されていないので心配だが、祈っていこう。