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目次
68回目の夏に
平和祈願祭
平和旬間と原爆犠牲者追悼ミサ
クララ祭
教会学校
浦上街道
評議会だより
今月の典礼担当地区
家族で霊名の日を祝いましょう
地区集会日程
赤鉛筆 |
協力司祭 パウロ 葛島輝義
ジョン・C・ウェスター大司教様が
核兵器廃絶のメッセージ
平和の世界を祈った 困難を乗り越えてきた先祖にならい
ドッヂビー優勝、ご褒美にグリーンランドへ 「なぜ再び鐘楼に鐘を戻すのか?」
行事などのお知らせ
9月と10月の典礼当番
今月の聖人
9月の地区集会日程表
編集後記 |
68回目の夏に
協力司祭 パウロ 葛島輝義
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炎の中にあったような2024年の夏―。
想定外の…、記録的な…、今まで経験したことのないような…、そんな貧弱な用語で片付ける気象情報の劣化…、さらに政治や経済、スポーツや科学の分野における解の劣化…、人間の生の舞台は大きく逸れ、気がついてみれば、夕暮れがずいぶん早くなっている。そして、男は68になった…。
時は形を変えながら移ろう―。
全ての人間が生きやすい世の中を求めながら、こうも反人間的な世の中をつくってしまうのも、人間というものの知恵の舌足らずさの仕業であろう…。
20世紀の後半、宇宙飛行士たちは〝漆黒の闇に浮かぶ地球はたとえようもなく美しかった〟と報告してきた…。しかし、この世界は、冷たく恐ろしい一面があり、時として残酷であること…。しかも、弱い人間が生きてゆくためには、あまりに多くの労苦と重荷に満ちている―
という現実も否定できない。
そうした現実に押し潰されずに生きてゆくためには、どうしても愛の支えが必要である。我々人間は、真実な愛の支えがあれば生きてゆく力と勇気を汲み取ることができる存在である。
主は言われる。「神は、その独り子をお与えなったほどに世を愛された」(ヨハネ4・16)。罪に汚れきった砂粒のような存在でしかない我々のために、ご自分の大切な独り子を遣わし、さらに、惜しむことなく十字架の死に渡されたという事実―。これは、神の愛が疑う余地のない確かなものであることを証する。 |
確かな愛―。
それはまた、現代の日本社会が最も必要としているものでもあろう…。我々の周りには、物質的に豊かであっても確かな愛に触れず、せっかくの人生を歪めてしまう人間が多い。例えば、一昨年の特殊詐欺の検挙者は1936人、その7割が10代と20代、巧みなスマホ操作などにより荒稼ぎ、被害者は戦後の復興に尽力した高齢者だという。若者たちの親は一様に、まさか我が子が―と、立ち上がれないほど苦しんでいる…。
実に、人間はなぜ苦しむのか、そして、神は、なぜ人間が苦しむのを赦されるのか―。自分、あるいは愛する人間が苦しむ時、心に浮かぶ疑問であろう…。そのことに関して、キリスト教は、神と人間が真の親子となり、真に愛し合うことを教える。
この世界は、神の失敗作ではない。本来は、苦しみのない世界を創ろうとしてできなかったということではない。神は、苦しみを含めてこの世界を創造し、全てを「よし」とされた。そうであれば、苦しみにも必ず意味があろう。事実、全ての苦しみを取り除いたとしても、真の幸せは訪れないだろう。腹ぺこは苦しくも、腹一杯が幸せの連続になり得るだろうか…。
男は思う。病気や障害、炎の夏…そこにこそ、労わりの愛や憐れみが生まれるのではないか…。この事実を土台として、誰もがゆるゆると生きられたら―。 |
平和祈願祭
ジョン・C・ウェスター大司教様が核兵器廃絶のメッセージ
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今年、被爆79年目を迎えました。あの戦争と原爆の愚かさや悲惨さが忘れ去られたかのようにウクライナとロシアの長引く戦争では多くの犠牲者が継続し、明日の地球環境を改善すべく子供達は悲しくも厳しい環境に身を置かねばならないのが現状です。
昨年も参列頂いた米国サンタフェ大司教区ジョン・チャールズ・ウェスター大司教様が「私達は今日耳を傾けるために、祈るために、行動するためにここにいます。」と平和を実現するための心強い言葉がありました。
この言葉を旨に、2019年以来の松明行列を行い、「平和のための祈りと活動」を新たな決意のもとに次世代につないでいきたいと思っております。
平和祈願祭の実行委員会も4月より7回実施し、長崎中地区の6教会(浦上、西町、城山、本原、稲佐、三ツ山)と北地区(滑石、長与)、南地区(愛宕、中町、八幡町)の実行委員が5年ぶりの行列を無事終われる様に過去の経緯を思い出しながら8月9日(金)を迎えることが出来ました。
当日は中村大司教様司式でファブリス・リブエ参事官様、白濱満司教様、ジョン・チャールズ・ウェスター大司教様、姜名誉司教様と日本の司教様方、神父様方と一緒にミサが捧げられ、韓国巡礼団、聖地の子供を支える会の巡礼団と浦上信徒を含む約550名と実行委員172名の協力に感謝するものです。
平和祈願祭担当 浦川洋市 |
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平和旬間と原爆犠牲者追悼ミサ
平和の世界を祈った |
終戦から79年目になる今年も、平和旬間(8月6日から15日まで)の10日間、朝ミサ前の5時半より世界平和の意向のもとにロザリオの祈りが捧げられました。
日曜も休まずに10日間連続で祈りを捧げることができ、参加していただいた皆様に心から感謝します。
毎朝80名前後、時には100名を超えるみなさんが参加してくださいました。コロナ禍前に夕方7時から被爆マリア小聖堂でロザリオを行っていたときの参加者の規模から考えますと、「数は力なり」を実感しています。聖母月、ロザリオ月そして平和旬間。ちょっと早起きしてのロザリオの祈りを続けていけたらと思います。 また、8月9日の朝6時と11時2分には原爆犠牲者追悼ミサが行われました。 |
コロナ禍もあってか参加者は年々減少し、朝6時のミサには200名前後の参加者がありましたが、11時2分の追悼ミサ参加者は100名前後でした。平日、高齢者の減少、子どもたちは登校日などいろいろの要因が考えられますが、浦上教会にとっては大事な追悼日です。次の世代へ伝えていくために何か工夫をしないといけないかもしれません。
典礼委員長 中嶋信行 |
クララ祭
困難を乗り越えてきた先祖にならい |
8月11日(日)聖クララおとめの祝日に、大橋のたもと「サンタ・クララ記念碑」の横で、聖クララ祭記念ミサが執り行われました。
厳しい日差しが降り注ぐ中、集まった50人以上の参列者は、中野健一郎神父様の司式によって心を一つにして祈りを捧げました。
浦上地区唯一の信仰の場だったサンタ・クララ教会は禁教令によって破壊され、信徒は厳しい迫害に晒されました。
浦上の信徒たちはその後、250年もの長い潜伏期間を過ごすことになりますが、毎年8月11日の聖クララの祝日にはサンタ・クララ教会跡地に集まり、盆踊りを装って踊りながら密かに祈りを捧げていたといいます。 |
信仰の自由が保障された現代に生きる私たちには想像を絶する精神力で、迫害に晒されながらも固く信仰を守り続けた浦上のキリシタンに思いをはせながら、「信者同士の工夫と協力で、神父不在の長い時を励まし合って乗り越えてきた先祖にならい、困難な状況でも力を合わせて工夫をすれば何かが見つかるはず」という中野神父様のお言葉に気持ちを新たにすることができました。
時折吹いてくる心地よい風は、光り輝く聖クララの取り次ぎのように感じられました。
大橋町 西尾雅俊 |
教 会 学 校 |
ドッジビー大会
7月31日(水)、昨年に引き続き今年も「長崎地区子どもスポーツ大会」がシーハットおおむらで行われた。今年は、昨年より4チーム多い20チームが参加し、とても活気のある大会となった。浦上教会からは昨年同様3チームが参加し、うち2チームが優勝・3位という成績を収めることができた。優勝チームの子どもの感想を紹介する。
●今回のドッジビー大会で優勝できて嬉しかったです。ふり返ってみると、練習と試合ではみんなの真剣さがちがいました。緊張している人がいたり、チームリーダーのお兄ちゃんがうるさかったりしたけど、力を合わせて集中してプレーすることを頑張りました。浦上教会が2連覇できて良かったです。来年も優勝してほしいです。たくさんのご声援ありがとうございました。
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グリーンランド
7月31日に行われた「長崎地区子どもスポーツ大会」で優勝したご褒美として、8月22日(木)に熊本県のグリーンランドへ行ってきました。
練習中のアイスの差し入れやカンパなどありがとうございました。 |
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浦 上 街 道
主任司祭 山村憲一 |
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「なぜ再び鐘楼に鐘を戻すのか?」
浦上教会の左鐘楼に再び鐘を吊るす寄贈の件について皆さんにお伝えしたのは6月の評議会でした。マリア館建設で設置費用の負担は厳しいと判断したところ、すべて寄贈側が負担するとのことで受け入れることになりました。その経緯において、「なぜ再び鐘楼に鐘を戻すのか」の目的をお伝えしていませんでした。寄贈者のアメリカ側の代表者であるノーラン・ジュニア教授が、中村大司教様に宛てた手紙からお伝えしようと思います。 |
ノーラン教授は、ご自分の書籍のためのインタビューで、日本人のあるカトリック信者から提案を受けたそうです。「原爆によって破壊された浦上教会の左塔の鐘は空のまま。アメリカのカトリック信者たちが、左塔の鐘の代替品を贈られることになれば素晴らしい」と。この提案を受けて、「これは素晴らしい考えだと思い、それ以来、提案を実現するために努力しています。私にとってはこの贈り物が、アメリカの信者から浦上の信者に対しての、彼らの想像を絶する苦しみに耐え、それでも信仰を貫き通した素晴らしい例に対する敬意、尊敬、感謝の表れになることを望んでいます。この贈り物を通じて長崎のカトリック信者との結束を示すことは、大変な光栄であると考えています。左塔が今まで空のままであったことは、私たちアメリカ人の信者にとって愛と感心とそして感謝を示すための特権と機会を提供してくれたかのようです」と記しておられます。
手紙は次の言葉で結ばれています。「鐘に刻まれたラテン語の銘文にあるように、『多くの日本人殉教者たちが栄冠をもって讃美し、その模範をもって兄弟姉妹たちと後に続く人たちを真の信仰と天国との慰めへと招いた場所で繰り返しなり続く音』を聴く日を心待ちにしています」。 |
評 議 会 だより |
【9月】
(1日) 大村殉教祭 シーハット大村
13時 〈教区〉
評議会・マリア館建設実行委員会
・バザー実行委員会
19時 〈本部〉
(6日)初金ミサ(本尾1・2) 10時 〈本部〉
十字架の道行 19時 〈本部〉
(8日)十字架山殉教祭(設営13時)
14時ミサ 〈教区〉
(9日)被爆者のための祈り
10時 〈レジオ〉
(14日)十字架の称賛 6時 〈典礼〉
(15日)2学期始業ミサ・始業式
7時30分 〈信教〉
敬老者・病者のためのミサ
敬老者・病者の祝福
9時30分 〈本部〉
敬老会 信徒会館
9時30分ミサ後 〈本部〉
(16日)会員研修旅行 7時45分 〈壮年〉
(17日)小学生勉強開始 〈信教〉
準備委員会 19時 〈本部〉
(19日)恵みの丘訪問 〈エリ〉
(21日)中学生勉強開始 〈信教〉
(22日) 病院見舞い 13時 〈ビン〉
(24日)経済評議員会定例会 19時 〈経済〉
(27日)聖ビ・ア・パウロの祝日
SSVP会員・家族のためのミサ
6時 〈ビン〉
(29日)世界難民移住移動者の日献金
各ミサ 〈典礼〉
歴史委員会定例会
9時30分ミサ後 〈歴史〉
聖トマス西15殉教者ミサ
14時 中町教会 〈教区〉 |
【10月】
(4日)初金ミサ(江平) 10時 〈本部〉
十字架の道行 19時 〈本部〉
(6日)評議会・マリア館建設実行委員会
・バザー実行委員会
19時 〈本部〉
(9日)被爆者のための祈り
10時 〈レジオ〉
(13日)納骨堂購入者説明会 〈本部〉
(19日)教会バザー会場設営 13時 〈本部〉
(20日)世界宣教の日献金 各ミサ 〈典礼〉
教会バザー
8時30分~12時 〈本部〉
バザー撤収作業 12時~
(22日)準備委員会 19時 〈本部〉
(26日)秋の遠足・レクレーション 〈信教〉
(27日)病気療養者のためのミサ 〈ビン〉
歴史委員会定例会議
9時30分ミサ後 〈歴史〉
※行事は変更・中止となる場合もあります。
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お知らせ
十字架山殉教祭に集まろう
十字架山は、1881年(明治14年)、浦上教会主任プトー神父を中心に当時の信徒達の労働奉仕によって築造されました。
命を懸けて迫害に耐え、信仰の自由を得た事への感謝。心ならずとも絵踏みをした事への悔い改め。意に反し流配者を苦しめた為政者達への赦しのために、この地を整地し、十字架を建て、感謝と贖罪の場所としました。
全ての人の赦しを願うために協力し合うという、優しく強い信仰を持って動いた当時の信徒達に思いを馳せ、想像し学び取りながら、この聖地と殉教祭を次の世代へ繋いでいかなければなりません。9月8日(日)14時。まだまだ残暑厳しい時季ですが、皆さん、十字架山に集まりましょう。
浦上教会評議会議長
森田浩介 |
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今月の典礼担当地区 |
《9月》
1日[日] 年間第22主日 大橋
被造物を大切にする世界祈願日
8日[日] 年間第23主日 昭和
15日[日] 年間第24主日 橋口
祖父母と高齢者のための世界祈願日
22日[日] 年間第25主日 上野1
29日[日] 年間第26主日 上野2
世界難民移住移動者の日献金 |
《10月》ロザリオの月
6日[日] 年間第27主日 高尾A
13日[日] 年間第28主日 高尾B
20日[日] 年間第29主日 本原
世界宣教の日献金
27日[日] 年間第30主日 扇 |
家族で霊名の日を祝いましょう |
<今月の聖人> |
9月 September
3日 聖グレゴリオ一世教皇教会博士
8日 聖マリアの誕生
10日 日本二〇五福者殉教者
13日 聖ヨハネ・クリゾストモ司教教会博士
15日 悲しみの聖母
16日 聖コルネリオ教皇 聖チプリアノ
司教殉教者
20日 聖アンデレ金と同志殉教者
21日 聖マタイ使徒福音記者
23日 聖ピオ〈ピエトレルチーナ〉司祭
27日 聖ビンセンチオ・ア・パウロ司祭
28日 聖トマス西と十五殉教者
29日 聖ミカエル 聖ガブリエル 聖ラファエル
大天使
30日 聖ヒエロニモ司祭教会博士
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10月 October
1日 聖テレジア〈幼いイエスの〉おとめ
教会博士
4日 聖フランシスコ〈アシジ〉修道者
7日 ロザリオの聖母
15日 聖テレジア〈イエスの〉おとめ教会博士
17日 聖イグナチオ〈アンチオケ〉司教殉教者
18日 聖ルカ福音記者
28日 聖シモン 聖ユダ使徒 |
9月の地区集会日程 |
地区名 |
日 |
曜 |
時間 |
場所 |
担当司祭 |
辻2 |
3日 |
火 |
19時 |
公民館 |
山村師 |
石神1 |
石神2 |
5日 |
木 |
19時 |
本田隆宅 |
西田師 |
坂本1 |
19時30分 |
公民館 |
中野師 |
辻1 |
6日 |
金 |
19時30分 |
公民館 |
中野師 |
岡 |
8日 |
日 |
19時 |
公民館 |
山村師 |
高尾 |
中野師 |
江平 |
西田師 |
平和 |
19時30分 |
公民館 |
西田師 |
大橋 |
9日 |
月 |
19時30分 |
公民館 |
中野師 |
扇 |
10日 |
火 |
19時30分 |
公民館 |
中野師 |
坂本2 |
12日 |
木 |
19時 |
司祭館 |
葛島師 |
小峰 |
13日 |
金 |
19時30分 |
深井宅 |
葛島師 |
橋口 |
15日 |
日 |
19時 |
公民館 |
山村師 |
本原 |
中野師 |
上野2 |
西田師 |
平野 |
19日 |
木 |
19時 |
寳來軒 |
葛島師 |
昭和 |
20日 |
金 |
18時30分 |
公民館 |
山村師 |
本尾 |
21日 |
土 |
20時 |
公民館 |
山村師 |
上野1 |
西田師 |
休み |
大手・女の都 |
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50年間、浦上の信仰教育の場となってきた教会学校が近く、解体に入る。信徒の皆さんそれぞれに思い出があることだろう▲42歳の筆者の小学生時代は1学年2クラス制で、山里小・高尾小で1クラス、坂本小や他の小学校で1クラスだったような。週2回の要理の前後は、野球をすることが多く、少しでも大きな当たりを打てば、昔の司祭館の屋上やベランダに入っていたことも懐かしい思い出▲教会学校の2階には諸団体の活動部屋があり、「神の家族」編集の会議や作業もここで長年行われてきた。60代、70代になっても熱意をもって取り組む諸先輩方に頭の下がる思いをしながら手伝いをさせてもらっている。 |
ここにとても書けない内容の脱線話や冗談も内心楽しみにしながら▲解体を前に書類や資料の整理をしていると、フィルム時代の写真の数々が出てきた。50年前の建設中に骨組み状態の教会学校、バザー、ソフトボール大会などなど。時代背景が違うとはいえ、どれも大勢の人が集い、楽しそうな歓声や教会活動への熱量があふれ出ている▲大司教様が呼びかける「ともに」、主任神父様が「神の家族」600号巻頭で記した「集まること」、広報の役目である「記録すること」。教会学校が建て替わってもその立派な外観に劣らないよう、この3点をしっかり意識したい。 |