インターネット版
「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、
わたしもその中にいるのである」
(マタイ18・20)
2025 発 行
カトリック浦上教会
評議会 広報委員会
目次
声の力と争いの源
マリア館落成

被爆80周年 原爆犠牲者追悼ミサ
平和祈願祭
サンタ・クララ祭
評議会だより
今月の典礼担当地区
家族で霊名の日を祝いましょう
地区集会日程
赤鉛筆

助任司祭 パドヴァのアントニオ 西田祐尚
2024年11月28日起工式から
      2025年8月8日完成、15日祝福式
11時2分 北側塔「希望の聖カテリの鐘」と祈る
被爆マリアとともに爆心地公園へとたいまつ行列
8月11日 雨天のため大橋町東部公民館で行われた
行事などのお知らせ
9月と10月の典礼当番
今月の聖人
9月の地区集会日程表
編集後記
声の力と争いの源
助任司祭 パドヴァのアントニオ 西田祐尚
 2025年8月23日(土)、甲子園球場では第107回全国高校野球選手権大会の決勝戦が行われ、沖縄尚学高校が優勝しました。沖縄県としては、夏の大会初めての優勝のようで、県民総勢となって盛り上がったと言います。実は、私自身もこの週の月曜日から水曜日(18∼20日)まで、長崎の高校生たちを連れて、沖縄に平和学習(長崎教区平和推進委員会主催)に出かけておりました。夕食時に街中の食堂に入ると、お店のスタッフ、地元の方々がテレビで準々決勝を見ており、ベスト4が決まった途端、皆が大喜び。優勝した瞬間の映像もネットで見ましたが、球児本人たちもさることながら、県民の皆様が一番喜んだのではないかと思います。
 さて、長崎、沖縄、広島、ひいては日本。今年は終戦80年という節目を迎えます。沖縄地上戦で亡くなった死者の総数(日本兵、市民、米兵含む)は、200,656人(総務省HPより)にも上り、多くの命が失われました。沖縄戦のとある資料館を訪問した際に、地上戦を生き抜いた方の証言が今でも心に残っています。「戦争はあってはなりません。戦争は悲惨そのものを残すだけです。何も良いものは残しません」。多くの家族や友人を亡くし、それでも生き抜いてきた方の言葉だからこそ、非常に言葉に重みを感じます。戦争を経験していない私たちがどんな言葉を話しても、この人々のような重みのある言葉にはなりません。しかし、戦争や悲しみ、苦しみや痛みを経験した長崎や広島、沖縄の私たちが声を上げないと、再び歴史が繰り返させてしまいます。
一人の人間の言葉に重みはありませんが、同じ思いを同じ言葉にして何人も語ることによって、言葉の力は強くなります。80年後も、私たちの反戦活動は続いていくのです。

 使徒ヤコブの手紙の中に、人間の争いに関して、非常に興味深い言葉があります。
「あなた方の戦いや争いは、どこから来るのですか。ほかでもない。あなた方の中で争う欲望があるからです。あなた方は欲しがるが、手に入れられず、人を殺す。熱望するが、得ることが出来ない。そこで戦ったり、争ったりするのです」(ヤコブ4.1-2)。
 太古の昔から、人の争いは、人間の欲から生まれるもの、支配欲や独占欲から生まれるものであることが分かっています。もちろん、中には支配に対抗して反旗を翻す戦いもあるのは事実です。ですが、私たちの日常でもちょっとしたいざこざが起こる時、そこには自分の「こうしたい」、「こうあってほしい」という欲があることを思い起こしたいと思います。きっとイエス様の教えは、人間はいつも自分に関心を向ける、自分の都合を考えるのではなく、他者への関心や思いやりを考える。それが、平和の実現と神の国の完成へとつながることを示しているのです。
 本当の意味で、終戦が訪れる日が来ることが出来ますように。
 マリア館落成
主任司祭 山村憲一
8月15日(金) 聖母の被昇天の祝日、
       マリア館祝福式

  8月8日午前10時、マリア館完成引渡し式が行われました。マリア館事務室で関係書類と鍵を受け取り、完成に至るまでの経過報告がなされました。いよいよマリア館が完成したことを実感しました。計画通り無事完成したことを、設計のライト建築、施工の九州建設の皆様にあらためて感謝いたします。
8月10日に内覧会を実施、さらに8月15日の聖母の被昇天祭に祝福式を行いました。祝福式では、4人の浦上司祭が手分けして心を込めて祈りながら潅水を行いました。これからこの場所で学ぶ小さな子どもたちも数多く参加していて、新しい学びの場に目を輝かせていました。
 8月24日に行われた内覧会では、前日に納骨棚の搬入完了した納骨堂も皆さんに見て頂きました。非常に関心が高く、ミサ後ということもあって本当にたくさんの人たちが来られました。入場制限が頭をよぎるくらいの大人数でしたが、新しいマリア館はびくともしないで受け入れていました。
 子どもたちの学びの場、信者の交流の場、死者が安らかに眠る場、マリア館にはそれらの使命が託されています。設計・施工業者様を招いての感謝式を8月21日に行いましたが、ライト設計の中野社長が次のように話されました。「マリア館には、二階が納骨堂ということもあって窓が少ないです。大きな窓は玄関から納骨堂への階段となりますが、そこからは聖堂のレンガタイルが見えます。マリア館は聖堂の境内地、聖堂のすぐそばに建てられていることを確認できるように設計しました。マリア館での様々な集まりに、神さまがいつもともにいてくださることを感じることができるように願っています」マリア館の存在意義を教えてくれている言葉だと思いました。
 物価高騰で生活が困難な状況の中、大きな負担をささげてくださりありがとうございました。新しい建物、器が皆さんの力を合わせて完成しました。この器を有効に使って、神の民として成長できることを心から願っております。

「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」
        (マタイ18・20)





被爆80周年 原爆犠牲者追悼ミサ
11時2分 北側塔「希望の聖カテリの鐘」と祈る
 被爆80周年を8月9日(土)午前6時と11時2分に、被爆により犠牲となった方々の永遠の安息を祈る追悼ミサが、6時・中野神父様と11時2分・山村主任神父様司式で執り行われた。

 11時2分のミサでは、再建以来小鐘が無い空の聖堂北塔鐘楼に、アメリカのジェームズ・ノーラン・ジュニア氏の信徒たちへの呼びかけによって寄贈された「希望の聖カテリの鐘」が設置され、11時2分のサイレンを合図に、80年ぶりの小鐘が清らかに鳴り響いた。そして聖カテリの「信仰と愛」は被爆者を主の癒しへ誘った。
 山村主任神父様は説教で「長崎は原爆落下に対して祈りをもって応えました。浦上の人たちは二度の大きな苦しみを体験しました。

一度目は『浦上四番崩れ』二度目は『原爆被爆』、その大きな苦しみを乗り越えることができたのは祈りなんです。この聖堂は浦上の信者さんたちの祈りがしみこんでいる場所なんです。何故祈りかと言えば、祭壇横の被爆した十字架が答えを教えてくれます。顔も無く右手も無く膝から下の足もないキリストは、私たちの罪の赦しのために自ら苦しみを選んでくださったのです。政治的に応えるのではなく、主の愛に愛を持って応えるべきです。・・・」と話された。
 そして、被爆80年、戦争や被爆の体験者が少なった今日でも、後遺症と心の苦しみをかかえている方々の慰めと、主の平和のために働けるよう、「聖カテリ」の導きを願い祈った。
平和祈願祭
被爆マリアとともに爆心地公園へとたいまつ行列

  長崎に原爆が投下されて80回目の8月9日を迎えました。
 平和祈願祭ミサは18時から中村倫明大司教様の司式、教皇大使様、枢機卿様方にもおいでいただき、約1200人の信徒や巡礼団の参列の中、平和の祈りが捧げられました。
 満席で聖堂内に入れなかった方は信徒会館のライブ配信の中でミサに与りました。
 また例年開催されていた松明行列は、松明の製作や参加者の減少、また各地で発生している林野火災の心配もあって、開催を不安視する声も上がりました。しかし被爆80周年を迎えて、終戦後2年目から先祖が被爆後の苦しみの中から立ち上がり、平和を祈って続けてきた思いを受け継いでいくため、また焼け野原になった浦上の地で亡くなった多くの方々を慰めるために、例年通り開催することを決定し準備を進めてきました。

あいにく前日から降り続く雨で雨天中止もやむを得ないという状況になり、直前まで開催が不安視されましたが、関係者の祈りの声が届き、何とか予定通り開催することができました。
  被爆マリア像を先頭に、松明300本ペンライト1000本の灯りが平和への祈りと共に、爆心地公園まで光の行列を行ないました
爆心地公園では、被爆した浦上天主堂の側壁の遺構前に置かれた被爆マリア像に、信徒の皆さんがそれぞれに祈りを捧げ、恒久の平和の願いを込めながら帰途につきました。
サンタ・クララ祭
8月11日 雨天のため大橋町東部公民館で行われた
 今年のクララ祭の御ミサは、山村神父様の司式で捧げられました。
 天候は雨の為、サンタ・クララ教会碑跡から離れた、大橋町東部公民館での屋内祈念ミサとなりましたが、室内だけに神父様のお言葉もシスターの歌声も素晴らしく響き、雨風の中、集った約40名の参列者の心がひとつになった様で感動を覚えました。
 聖クララ聖堂は1603年にこの地に建てられました。この浦上村には、祈る場所はここしかなく私達の信仰の原点であると言えます。
 私達は迫害を受けても屈せずに信仰を貫きとおした浦上村の先祖の意志を受け継ぎ、浦上カトリック教会の一員として、これまで以上に揺るぎない信仰心を持ち子供達にこのクララ祭を継承していきたいと思います。

 私は浦上村の先祖が守りぬいてきたこの御ミサに参加できた事を大変うれしく思いました。
           大橋地区委員 諸口敏治
評 議 会 だより
【9月】

(5日)初金ミサ(女性部担当:本尾1・2)
                   〈本部〉
    十字架の道行 19時       〈本部〉

(9日)被爆者のための祈り      〈レジオ〉
(14日)十字架の称賛 7時・9時    〈典礼〉
    2学期始業ミサ・始業式     〈信教〉
    敬老者・病気療養者のためのミサ
          9時        〈本部〉
    敬老会 ミサ後 信徒会館     〈本部〉
    壮年会下五島研修旅行     〈壮年〉
(16日)小学生の勉強始まり
         16時 マリア館    〈信教〉
    準備委員会  19時 信徒会館  〈本部〉
(18日)恵の丘訪問 11時センター   〈エリ〉
(20日)中学生の勉強始まり
         17時30分 マリア館  〈信教〉
(21日)病院(見舞い)訪問 13時    〈ビン〉
(23日)経済評議委員定例会
           19時 司祭館   〈経済〉
    大村殉教祭           〈教区〉
(27日)聖ビ・ア・パウロの祝日     〈ビン〉
(28日)世界難民移住移動者の日
            献金 各ミサ  〈典礼〉
    歴史委員会定例会
           9時ミサ後   〈歴史〉
【10月】

(3日)初金ミサ(女性部担当:江平)  〈本部〉
    十字架の道行  19時      〈本部〉
(5日)バザー実行委員会・評議会
          19時 信徒会館  〈本部〉
(9日)被爆者のための祈り      〈レジオ〉
(18日)教会バザー会場設営 13時  〈本部〉
(19日)世界宣教の日献金 各ミサ   〈典礼〉
    自宅療養者の為のミサ      〈エリ〉

(21日) 準備委員会  19時      〈本部〉
(25日)秋の遠足・レクリエーション  〈信教〉
    聖母行列の準備 13時     〈信教〉
    聖母行列の花飾り手伝い    〈エリ〉
(26日)病気療養者の為のミサ
           7時       〈ビン〉
    聖母行列 9時ミサ後     〈信教〉
    歴史委員会定例会
          9時ミサ後     〈歴史〉
    十字架山殉教祭 14時
       設営13時~ 十字架山   〈本部〉

    10月はロザリオの月
      毎朝(月~土)5時30分~
※ 行事は変更・中止となる場合もあります。
 8月6日(水) 子どもスポーツ大会

おニューの
ユニフォームで
・・・連覇

 おおむらシーハットで開催されたドッジビー大会にて、
浦上Aが優勝、浦上Bが準優勝
しました。3連覇を達成しました。
酷暑の中、
応援ありがとうございました。
         お知らせ

 10月19日
       浦上教会 BAZAAR
        8時30分~12時
        12時~片付け


  被爆マリア小聖堂 原爆死没者追加記載
 被爆80年を機に行った「浦上原爆死没者」銘板への追加記載作業が完了しました。


   「一菜募金」へのご協力に感謝

 償いの日(毎週金曜日)の一菜を犠牲に、身近に起こる災害へ献金する「一菜募金」は、皆様方から多くの献金を頂き、
     募金集計額:396,244円
集まりました。早々8月12日に長崎教区へ送金しましたことをご報告します。
 今月の典礼担当地区
《9月》

7日[日] 年間第23主日      石神1・辻2
     被造物を大切にする世界祈願日
14日[日] 年間第24主日        石神2
     十字架称賛
21日[日] 年間第25主日     大手・女の都
28日[日] 年間第26主日         辻1
     世界難民移住移動者の日献金
《10月》ロザリオの月

5日[日] 年間第27主日        本尾1・2
12日[日] 年間第28主日        江平1
19日[日] 年間第29主日        江平2
      世界宣教の日献金
26日[日] 年間第30主日        江平3
家族で霊名の日を祝いましょう
<今月の聖人>
 9月 September

3日 聖大グレゴリオ教皇教会博士
8日 聖母マリアの誕生
10日 福者セバスチャン木村司祭と二〇四殉教者
13日 聖ヨハネ・クリゾストモ司教教会博士
15日 悲しみの聖母マリア
16日 聖コルネリオ教皇
   聖チプリアノ司教殉教者
20日 聖アンデレ・キム・デゴン司祭
   聖パウロ・チョン・ハサンと同志殉教者
21日 聖マタイ使徒福音記者
23日 聖ピオ〈ピエトレルチーナの〉司祭
27日 聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ司祭
28日 聖トマス西と十五殉教者
29日 聖ミカエル 聖ガブリエル 聖ラファエル
                   大天使
30日 聖ヒエロニモ司祭教会博士
 10月 October

1日 幼いイエスの聖テレジアおとめ教会博士
4日 聖フランシスコ〈アッシジの〉修道者
7日 ロザリオの聖母マリア
15日 イエスの聖テレジアおとめ教会博士
17日 聖イグナツィオ〈アンティオキアの〉
                 司教殉教者
18日 聖ルカ福音記者
28日 聖シモン 聖ユダ使徒
9月の地区集会日程
地区名 時間 場所 担当司祭
辻2 9日 19時 公民館 西田師 
石神1
大橋 19時30分 公民館 山村師
10日 19時30分 公民館 西田師
石神2 11日 19時 本田隆宅 山村師
坂本2 山王
公民館
中野師
坂本1 19時30分 公民館 西田師
平野 12日 19時 寳來軒 中野師
小峰 19時30分 深井宅 西田師
辻1 公民館 山村師
江平 14日 19時 公民館 中野師
葛島師
高尾 山村師
平和 19時30分 公民館 中野師
昭和 19日 14時 公民館 葛島師
上野1 20日 20時 公民館 山村師
本尾 中野師
上野2 21日 19時 公民館 中野師
橋口 西田師
本原 山村師
女の都 27日 20時 教会学校 西田師
大手 28日 19時 司祭館 葛島師
 8月8日建設中の新しい教会学校(マリア館)が完成し、建設会社から引き渡され、24日には内覧会が準備され、初めて信徒の方々にお披露目された▲振り返ると、教会学校は16年前の司祭館建設時の同時建替えの検討、延期から後年の賛否アンケートの集約、建替の決定、建設実行委員会の発足まで5~6年ほどの時間を要した。この間、信徒への説明や業者選定など建設開始まで、多くのご苦労をいただいた評議会、建設実行委員会の方々に感謝を申しあげたい。コロナ禍で十分な検討時間が持てない中で信徒の不安、疑問の解消のために多くの時間と労力を割かれたことと思う。 特に諸物価高騰を受け、建設規模の再修正と世帯負担額のバランスを取ることにご苦労があったと聞いている▲多くの時間と、信徒の方々の努力でようやく完成した、マリア館をどのように使っていこうか?打合せ、作業だけではもったいない、教会学校がメインだが、せっかく多目的に使えるスペースもあるのだから信者同士の交流の場にもしよう。将棋や囲碁するもよし、茶話会もよし。いつもそこに誰かがいるような、にぎやかな場所となることを願い、毎ミサ後はマリア館を覗いてみよう。