十字架の道行
浦上天主堂の壁画(故中田秀和画伯)
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第一留 イエス、死刑を宣告される
 大祭司カイアファの館で不法な裁判をお受けになったイエスは、ローマ総督ピラトの前に引いていかれました。ピラトはイエスを釈放しようとしますが、ユダヤ人は長老たちにそそのかされて、イエスを十字架につけよと叫びます。赤いマントを着せられ、いばらの冠をかぶせられたイエスは、一言も弁解なさらず、人々の憎しみの的になったまま死刑を宣告されました。
第三留 イエス、初めて倒れる
 昨夜からのむごい仕打ちで痛みつけられたイエスに、今はもう重い十字架を引きずって石畳の道をたどる力は残っていません。足はよろめき、肩に食い込む十字架に押しつぶされて、思わずお倒れになりました。
第二留 イエス、十字架をになう
 死刑を宣告された人は刑場まで自分の十字架をかついで行かされました。イエスは、荒々しく負わされた十字架を黙って受けとめ、歩き始められます。こうして、はずかしめと処罰のしるしであった十字架は、救いと勝利をもたらすしるしとなりました。何も知らない群衆はただイエスをあざけるばかりです。
第五留 イエス、クレネのシモンの助けを受ける
 イエスの力はもう尽き果てたと見た兵士たちは、そこに居合わせたクレネのシモンに、イエスに代わって十字架をになわせました。シモンは、死刑にされる囚人を助けるのは屈辱と感じたことでしょう。心ならずもイエスと一緒に群衆のあざけりの的となったシモンは、後に主の教会の一員となりました。
第四留 イエス、母マリアに出会う 
 イエスに向けられた人々のあざけりと憎しみを、マリアも受けます。神の子の母が今、大罪人の母としてはずかしめにさらされています。母マリアは我が子の苦難を受けとめ、「おことばどおり、なりますように」と神のみ手にすべてをゆだねました。
第七留 イエス、再び倒れる
 イエスを追い立てる群衆の興奮はますます高まり、イエスを激しくののしります。人はどうしてこんなにも残酷になれるのでしょうか。むちを振りかざす兵士たちの暴力に耐えられず、イエスは力つきてお倒れになります。
第六留 イエス、ベロニカより布を受け取る
 ののしりを浴びせられ、血と汗にまみれたイエスの顔は、苦痛にゆがんでいます。だれ一人同情を寄せようとしないそのとき、思いがけずベロニカという女性が進み出て布を渡すと、イエスは顔をぬぐい、お返しになりました。
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