19.コルベ師の列聖記念ミサ

 昭和57年(1982年)10月10日、ローマの聖ペトロ大聖堂において、教皇ヨハネ・パウロ2世により聖人の位にあげられたマキシミリアノ・コルベ師の列聖記念ミサが、昭和57年11月3日、浦上天主堂において白柳誠一大司教主司式のもと、教区内外の大司教、司教、司祭100人余の共同司式によって盛大に献げられた。
 全国各地、並に韓国からの参列者を含め、約3,000人の参列者は、「友のために命を捨てるよりも大きな愛はない」との聖書のことばを実践され、アウシュビッツの牢獄において、他人の身替りとなって餓死刑をうけられた聖人、コルベ師の偉徳を偲んだ。
 ミサ後、カトリックセンターにおいて、白柳誠一大司教はじめ、司教、司祭、長崎県知事、長崎市長、その他来賓多数参列して、盛大な祝賀会が開催され、コルベ師の列聖を慶祝した。

         聖マキシミリアノ マリア コルベ

 ナチスのアウシュビッツ強制収容所で一人の人間の身代りとなって死んだ福者マキシミリアノ・マリア・コルベ神父の列聖を記念し、11月3日午前10時より「祝賀」ミサが、白柳大司教司式のもとに、浦上天主堂で盛大に行なわれた。
 聖歌と鐘が鳴り響く中を、金色の十字架を先頭に、司教・司祭団114名が入堂、シスター・一般信徒はじめ、韓国からの巡礼団41人、スタニスワフ、スコプロン・ポーランド駐日臨時代理大使ら約三千人が参加した。
 「コルベ神父の大きな愛が、日本の信者の信仰・希望のあかしとなることを願う」とのローマ法王ヨハネ・パウロ二世のメッセージが読み上げられ、松永司教様は説教で、恐ろしくまた醜いあのアウシュビッツ強制収容所で、コルベ神父が雄々しく示した、身代りの行動は、名もない最も小さき者に神の愛が生きている事を示した。神父の死は敗北ではなく、信仰の安らかさに包まれたものであり、コルベ神父様の愛の心をうけつぐことが、我々の務めとのべられた。
 愛は、非人間的な制度や政府よりも、力強いものであると、今も私達に教えつづけられている。
 同神父は、長崎から帰国後、故国の修道院長となったが1941年、アウシュビッツ収容所で死刑囚の身代りとなることを申し出て殉教。10月10日バチカンで「聖人」に列せられた。
 ミサ終了後、境内ではコルベ神父様のありし日の姿や、ヴァチカンでの祝聖式、長崎からの巡礼団の写真や、同師の伝記等、見入る人々の姿が印象的であった。
神の家族 昭和57年12月号より